小型犬飼育にかかる年間費用の落とし穴3選!実際の費用の内訳も解説

小型犬飼育にかかる年間費用の落とし穴3選!実際の費用の内訳も解説
  • これから小型犬を飼おうと思っているけど、年間に飼育費用ってどれくらいかかるの?
  • 書いているサイトによって年間飼育費用が全然違うんだけど、どれが本当なの?
  • 小型犬を飼う前に知っておかなければいけない費用面での注意点ってある?


この記事では、ペット初心者が小型犬を飼う前に必ず抑えるべき年間費用の落とし穴について解説しています。
小型犬を飼ったのにこんなに費用がかかるって聞いていないよ…
そんな状況にならないように、本当に飼っていけるのかを再度考えるきっかけにしてみて下さい。

この記事では、

  • 小型犬飼育にかかる年間費用の落とし穴3選!

  • 実際にかかった小型犬飼育費用の内訳

  • 小型犬のお迎えを検討している方へ執筆者が伝えたいこと

を解説しています。

執筆者プロフィール

なお

  • 病院薬剤師(8年)→薬局薬剤師(1年)→フリーランスとして活動開始

    〈資格〉
    日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師
    日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師
    一般社団法人薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師

  • ペット飼育初心者だったが、2018年にチワワのアルに一目惚れし、お迎え
  • プロフィールの詳細はこちらから
目次

小型犬飼育にかかる年間費用の落とし穴3選!

小型犬飼育にかかる年間費用の落とし穴3選!

年間費用は小型犬<大型犬。でも生涯費用は小型犬=大型犬!?

犬の飼育にかかる年間費用は、一般的に、小型犬の方が大型犬よりも安いと言われています。しかし、生涯費用はほとんど変わらないのを皆さんご存知ですか?
それでは、年間費用と生涯費用の最新のデータを見ていきましょう。

〈月間費用・年間費用〉

犬の年齢別年間費用
出典:一般社団法人ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査 「犬 飼育・給餌実態と支出」

上記の表は、1ヵ月と年間の必要経費を、超小型犬、小型犬、中型犬・大型犬で比べたものになります。
年齢によって必要費用の変動はあるものの、トータルで見ると、以下の通りになっています。

月間費用、年間費用ともに、
超小型犬<小型犬<中型犬・大型犬

つまり、月間費用・年間費用は、小型犬の方が大型犬よりもかからないことがわかります。

それなら生涯費用も小型犬の方が大型犬よりも圧倒的に安いんじゃ…誰しもそう考えますよね。私も以前までそう考えていました。
次に、小型犬と大型犬の生涯費用について比較したデータを確認していきましょう。

〈生涯費用〉

出典:一般社団法人ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査 「犬 飼育・給餌実態と支出」

上記の表は、生涯での必要経費を、超小型犬、小型犬、中型犬・大型犬で比べたものになります。
最新の統計からは、次のようなことがわかりますね。

生涯必要経費は、
超小型犬=小型犬=中型犬・大型犬

つまり、生涯必要費用は、小型犬と大型犬でほとんど変わらないことがわかります。

〈なぜ生涯費用は変わらないのか?〉

小型犬は大型犬より寿命が長く、その分生涯費用が増えるため

結局のところ、小型犬は、年間費用が安くても、生涯費用は大型犬と変わらないんです。
年間費用を見て小型犬を飼おうとしている方は、生涯費用の部分も考えて決めるようにしましょう。

犬種によっては年間費用が増える可能性がある?

ワンちゃんを飼う前には、年間費用を調べてから飼う方も多いでしょう。しかし、犬種によっては調べていた年間費用よりもすごくかかる場合があります。
どのような犬種で年間費用が増える可能性があるか見ていきましょう。

年間費用が増える可能性がある小型犬① 
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

年間費用増加の可能性がある小型犬1匹目は、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、消化器疾患や皮膚疾患が多く、年間診療費が平均より2倍近く高い傾向にあります。

0〜12歳全体における年間平均診療費 注1
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル:129,778円
犬全体:70,683円

年間費用が増える可能性がある小型犬② 
シー・ズー

年間費用増加の可能性がある小型犬2匹目は、シー・ズーです。
シー・ズーは、眼の疾患や消化器疾患が多く、年間診療費が平均より1.5倍以上高い傾向にあります。

0〜12歳全体における年間平均診療費 注1
シー・ズー:107,755円
犬全体:70,683円

年間費用が増える可能性がある小型犬③ 
パグ

年間費用増加の可能性がある小型犬3匹目は、パグです。
パグは、皮膚疾患や耳の疾患が多く、年間診療費が平均より1.5倍以上高い傾向にあります。

0〜12歳全体における年間平均診療費 注1
パグ:107,867円
犬全体:70,683円

また、パグは皮脂の分泌量が多く、比較的臭いが強い犬種と言われています。
換気などでもある程度の対策は可能ですが、私は、次亜塩素酸による除菌・脱臭効果が期待できる『ジアイーノ』の購入をおすすめします。
『ジアイーノ』には圧倒的な消臭効果はありますが、購入金額が76,230円と安くはなく、塩タブレットを定期的に購入する必要があるため、年間費用は他の犬種と比較すると増えてしまうでしょう。

飼育にかかる年間費用が情報元のサイトによって幅がある

小型犬飼育の年間費用がこっちのサイトでは18万って書いていたのに、あっちのサイトでは34万って書いてる…
こんな経験はありませんか?

例えば、2つのサイトを比較してみると以下のように記載されています。

犬の飼育に必要な年間費用

  • 一般社団法人ペットフード協会:183,237円 注2

  • アニコム損保保険株式会社:338,623円 注3

このように見るサイトによっては、2倍近く差が出ている場合があります。
なぜこれほどまでに差が出ているのか?

年間費用に含まれている範囲が異なるため
(ペットフード協会の方では、交通費・光熱費・トレーニング料・予防接種費等を含まないため)

調べる際には、金額のみを鵜呑みにせず、年間費用には何が含まれているかを確認することが必要ですね。
次の項では、私がチワワを飼って実際にかかった費用の内訳を解説していきます。

実際にかかった小型犬飼育費用の内訳

初期費用

チワワを飼った日までに準備しておく必要があったもの、ワクチン費用、畜犬登録料、去勢手術費用、保険料、光熱費など飼育後1年以内にかかった費用を合わせて初期費用としています。

初期費用内訳
チワワ200,000円
畜犬登録料3,000円
ワクチン狂犬病3,390円
混合ワクチン
(6種)
6,600円
フィラリア13,200円
去勢手術21,770円
保険料36,440円
(1年間)
食費ドッグフード4,382円(1ヵ月)
おやつ、ガム1,000円(1ヵ月)
ペット用品おもちゃ1,000円
ゲージ13,939円
布団1,0400円
トイレ15,692円
給水器2,300円
食器1,555円
ハーネス5,500円
リード3,960円
5,060円
ペットヒーター2,980円
消耗品ペットシーツ666円(1ヵ月)
シャンプー
リンス
3,230円(1年間)
歯ブラシ
歯磨きジェル
3,460円
(1〜2ヵ月)
給水フィルター1,155円(4ヵ月)
足裏ケアジェル1,480円
(1〜2ヵ月)
ウエットティッシュ2,000円
(90枚×8個)
光熱費通常時
+3,000円
(1ヵ月)
合計367,159円

私は、ペット用品を評価の高いもので揃えたため、ペット用品の価格はやや高くなっています。
また、ペットの価格も犬種やその時の相場などにより異なるので、合計の初期費用が変動する要因になります。
私の場合は、コロナ禍前にアルくんをお迎えしたため、ある程度小型犬の相場が抑えられていましたが、2025年現在では需要と供給のバランスが崩れ、小型犬の相場は高騰しています。

ディズニーの犬用おもちゃのオススメ8選はこちらの記事でレビュー紹介しています。

+α(あれば快適に生活ができる)の費用

私が使用して生活が快適になった商品、使用はしていないがあれば生活が快適になると感じた商品をいくつか紹介していきます。

+α(あれば快適に生活ができる)費用内訳
ペットシーツ用ゴミ箱5,480円
ジアイーノ76,230円
ペット用乾燥機
(ハウスドライヤー)
42,480円

⚫︎ 臭い対策として『ジアイーノ』の購入がおすすめ!
長年、愛犬と生活をするとどうしても部屋に臭いが染み付いてしまいます。
ジアイーノの次亜塩素酸による消臭・除菌には、圧倒的な効果を実感しています。

ジアイーノのペット臭に対する評価・6年間使用したレビューについての詳細はこちらの記事で解説しています。

私が、あれば便利だよなと感じており、現在購入を検討しているのが、ペット用乾燥機(ハウスドライヤー)!
現在、アルくんをお風呂に入れた後の乾燥は、レプロナイザー2D Plusのヘアドライヤーで行っています。
このようにスペックの高いドライヤーであっても、乾燥に20〜30分かかってしまうため、アルくんのストレス軽減や飼い主の手間削減のためにも使用してみたいと考えています。

医療費

アニコム損害保険会社「家庭どうぶつ白書2020」によると、犬全体の0〜12歳全体における年間平均診療費は、70,683円とされています(詳細は、当記事1-2参照)。

医療費は、犬種や個体によって大きく変動します。
我が家のアルくんは、まだ6歳ということもあり健康で、医療費はほとんどかかっていません。
将来的に増えてくることが予想されますが、現在のところ年間0円〜1,0000円の間に収まっています。

月間費用

次に、毎月かかっている費用を1ヵ月辺りに換算して記載しています。年間でかかるワクチン費用や医療費は含めていない月間費用の内訳になります。

月間費用内訳
保険料3,037円
食費ドッグフード4,382円
おやつ、ガム1,000円
消耗品ペットシーツ666円
シャンプー
リンス
262円
歯ブラシ
歯磨きジェル
1,730円
給水フィルター289円
足裏ケアジェル740円
ウエットティッシュ250円
美容室2,200円
光熱費通常時
+3,000円
合計17,556円

私が毎月かかっている費用は、17,556円でした。
この金額に、臨時でペット用品や医療費などがかかってくることになります。

年間費用

ワクチン費用を含めた、実際にかかった年間費用は以下の通りになります。

年間費用内訳
ワクチン狂犬病3,390円
混合ワクチン
(6種)
6,600円
フィラリア13,200円
保険料36,440円
食費ドッグフード52,584円
おやつ、ガム12,000円
消耗品ペットシーツ7,992円
シャンプー
リンス
3,230円
歯ブラシ
歯磨きジェル
20,760円
給水フィルター3,465円
足裏ケアジェル8,880円
ウエットティッシュ3,000円
美容室34,100円
光熱費通常時
+36,000円
合計241,641円

私が年間でかかっている費用は、241,641円でした。
ここに医療費は含まれていないため、仮に犬全体の0〜12歳全体における年間平均診療費70,683円がかかるとすると、医療費を含めた年間費用は312,324円になります。

小型犬のお迎えを検討している方へ

小型犬のお迎えを検討している方へ

今回は、実際に私がかかった初期費用、医療費、月間費用、年間費用を紹介してきました。
ただ、これはかかる最低限の費用を試算したに過ぎず、臨時支出の上乗せは考慮しておくべきです。
また、ドッグフードや消耗品に関しては、購入する商品によって価格の幅はあると思いますが、愛犬の生活環境・健康を第一に考え、選択して頂きたいと思います。

まとめ

今回の記事のまとめです。

  • 小型犬は大型犬と比較して、年間費用は安いが、生涯費用はほとんど変わらない。

  • 犬種によっては、医療費やその他用品の購入で年間費用が高くなる可能性がある。

  • 調べる際には、情報元の数字を鵜呑みにせず、年間費用には何が含まれているかを確認する。

  • 執筆者が実際にかかった小型犬飼育費用の内訳
    ・ 初期費用:367,159円
    ・ 月間費用:17,556円
    ・ 年間費用:312,324円

本記事では、ペット初心者の方が陥りやすい小型犬飼育にかかる年間費用の落とし穴について解説しました。
私が実際にかかった費用を参考に、ワンちゃんの購入を検討していただけると幸いです。

参考:
注1) アニコムホールディングス株式会社,2020,「家庭どうぶつ白書2020」(2025年1月30日取得)
注2) 一般社団法人ペットフード協会,2024,「令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査 犬 飼育・給餌実態と支出」(2025年1月30日取得)
注3) アニコム損保保険株式会社,2024,「 2023年最新版 ペットにかける年間支出調査」(2025年1月30日取得)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次