チワワは、全犬種の中でも特に寒さに弱い犬種と言われています。仕事や用事があってお留守番してもらっている時の防寒対策って難しいですよね。愛犬にとって安全性が担保され、かつ快適に過ごせる環境になるよう防寒対策を取る必要があります。
- チワワが快適に過ごせる環境ってどんな環境?
- チワワを飼っている人が実際に行っている防寒対策を知りたい
- 暖房を付けっぱなしにして外出すると火災リスクがあって怖い…
- 冬服って家の中でも着せっぱなしでいいの?
このような皆さんのお悩みを『私が実際に行っている実例』や『論文の内容』を基に解説していきたいと思います。ぜひ今後の生活のお役に立てればと思うので、一つでも参考にしてみて下さい。
この記事では、
- チワワは寒さに弱いのか?最適な環境条件は?
- 【実例あり】愛犬にお留守番してもらう時にできる安全性の高い防寒対策
- 冬服を着させる上での注意点
について解説しています。
執筆者プロフィール

なお
- 病院薬剤師(8年)→薬局薬剤師(1年)→フリーランスとして活動開始
〈資格〉
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師
一般社団法人薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師 - ペット飼育初心者だったが、2018年にチワワのアルに一目惚れし、お迎え
- プロフィールの詳細はこちらから
チワワは寒さに弱い!適切な環境条件は?

チワワは、全犬種の中でも特に寒さに弱い犬種と言われています。これは、チワワの原産国が年中通して温暖な気候であるメキシコであるということが理由と考えられています。
〈チワワに適切な環境条件〉
- 気温:25℃前後
- 湿度:50〜60%前後
北海道や東北・北陸地方等の冬に気温が低い地域では、特に室温・湿度の管理が必要になります。室温・湿度がしっかり管理されていないと愛犬の体調不良の原因となるため、必ず管理を怠らないよう注意しましょう。
チワワが寒さで引き起こしやすい病気
チワワは、寒く乾燥している冬の時期には免疫力が低下し、様々な病気を引き起こす可能性があります。下記のような症状が見られたら、寒さが原因で病気に罹患している可能性もあるので、早めに獣医師へ相談するようにしましょう。
病名 | 症状 |
低体温症 | 体が震える、呼吸が浅くなる、元気がない等 |
関節炎 | 触ると痛む、動きが鈍くなる等 |
皮膚疾患 | ひび割れ、痒み、皮膚の発赤等 |
呼吸器疾患 | 咳、くしゃみ、鼻水等 |
循環器疾患 | 咳、呼吸が早い等 |
泌尿器疾患 | 尿量が少なくなる、血尿、排尿時痛等 |
チワワが寒い時に見せるサイン

チワワは、寒い時に自ら訴えることができないため、いち早くそのサインに気付いてあげることが重要です。次にチワワが寒い時に見せるサインを4つ紹介するので、愛犬がそんなサインを見せていないか確認して下さいね。
小刻みに震えている
チワワは、寒い時に小刻みに震えることで発熱し、体温を一定に保とうとします。ただ、寒い時以外にも怖い時や緊張している時などにも震えることがあるため、その時のシチュエーションから判断しましょう。
飼い主にくっ付いてくる
チワワは、甘えん坊で普段から飼い主にくっ付いてくる愛犬も多いため判断は難しいかもしれません。その中でも飼い主にくっ付いてくる時間が異常に長かったりする場合は、寒さを訴えている可能性があるでしょう。
布団の上で丸くなって動かない
寒さを感じているチワワは、丸くなることで体外に逃げていく熱を少なくしようとします。布団の上などで丸くなっている時間が長い場合は、部屋が寒くなっていないか確認するようにしましょう。
ほとんど水を飲まない
寒さで喉が渇きにくいため、飲水量が減少する傾向があります。飲水量の減少は、脱水症状を引き起こす原因にもなるため、ミルクなど味のあるものを与えたり、ドッグフードを水でふやかしたりして水分補給をさせるようにしましょう。
【実例紹介】留守番中にできる安全性の高い防寒対策3選!
私は、日中仕事で家を空けることが多く、その間アルにはお留守番をしてもらっています。ここでは私がアルのために実際に行っている防寒対策について紹介します。危険性の伴うものは避けるようにしており、その部分も併せて解説していきます。
エアコン(+SwitchBot ハブ2)による室温調整
まず重要なのはエアコンを使用し、室温を25℃前後に調節することです。私は、SwitchBotを利用して室温を一定に保っています。
【SwitchBotとは?】

SwitchBotは、スマートフォンやWi-fiと接続して離れた場所からも家電を操作することができるスマート家電です。スマートフォンでの操作は、SwitchBot ハブ2を介して家電に伝えられます。

SwitchBot ハブ2本体には、室温と湿度が表示され、スマートフォンでも確認することができます。私はエアコンと連携させており、冬は室温が23℃を切ると作動し、27℃を超えると切れるように設定しています。これにより室温が24℃〜26℃に保てるようになっています。
〈SwitchBotによる室温管理のメリット〉
- 一度設定をすれば確実に目標とした室温を保つことができる
- 作動させる曜日や時間帯など細かい設定も可能
- 外出先からも温度・湿度の確認や操作が可能
〈SwitchBotによる室温管理のデメリット〉
- SwitchBot ハブ2の機体代が必要(税込9,980円)
- 自宅にWi-fi環境が必要
- 電気代の検証が未実施
(急激な温度上昇はないので経済的には良い?)
デメリットもありますがメリットの方が大きく、エアコン以外の家電に対しても同様の操作ができるので、購入して使用することをオススメします。
※一部使用できない家電もあるため、詳細は公式ホームページを参照して下さい。
また、室温調整をする際の注意点もあるので、気を付けるようにしましょう。
〈外出中に室温調整をする際の注意点〉
- ペットヒーター、電気ストーブ、石油ストーブ、ガスストーブ、こたつ等の発火の恐れがあるものは使用しない
- 床暖房、ホットカーペットの使用は室内熱中症や脱水の危険性があるので、外出中は避ける
- 湯たんぽを使用する場合は、低温やけどに注意する
- コード類があるものを使用する際は、噛んで感電しないようカバーを付ける等の対策を取る
【併せて湿度管理も必ず行う】
私は、湿度管理もSwitchBotを介して加湿器で行っています。チワワに最も適した湿度は、50%〜60%前後になります。そのため、冬は湿度が45%を切ると加湿器が作動し、60%を超えると切れるように設定しています。
湿度が下がりすぎると、皮膚の乾燥や鼻・喉の粘膜が刺激され呼吸器疾患の原因となります。エアコンによる温度管理と併せて必ず湿度管理も行うようにしましょう。
〈手軽にできる加湿器以外での加湿方法〉
- 濡らしたタオルや洗濯物を室内に干す
- 沸騰した水をコップに入れ、部屋に置く
- 入浴後、お湯を抜かずに浴室のドアを開ける
- 霧吹きに水を入れ、カーテンに吹き掛ける
毛布やブランケットを使用し保温効果を高める
私がエアコンでの室温管理、加湿器での湿度管理と併せて行っているのが、愛犬のベッドに毛布やブランケットを敷いて保温効果を高めることです。外出中だけではなく、在宅中でも最も簡単に行うことができ、かつ効果的な方法であると考えられます。
〈毛布やブランケットを使用する際の注意点〉
- 噛み癖のある犬は、噛みちぎった毛布やブランケットの誤食に注意
- 愛犬が小さい場合には、重みのある毛布は避けるのが無難(出られなくなるリスクがあるため)
- 定期的に毛布やブランケットの洗濯を行う
服を着させる
私は上記の防寒対策のみで実際に服を着させることはしていませんが、室温管理が十分にできない場合は一つの防寒対策として有効でしょう。ただ、服を着るのを嫌がる犬も多く、長時間の留守番の場合は服を着ることによるデメリットもあるため、短時間の留守番の時のみ着させるなどの対策が必要です。
〈服を着させる際の注意点〉
- 長時間服を着ることにより皮膚が蒸れ、皮膚炎になるリスクがある
- 服が嫌いな犬にとってはストレスになる可能性があるため、必要時以外は避ける
- 足や爪が服の袖に引っ掛かって怪我をしないよう着脱に注意が必要
【実例紹介】冬の散歩時の防寒対策3選!

冬の気温は、地域によってはマイナス気温となるところもあり、散歩時の防寒対策は寒さに弱いチワワにとっては必須となります。北海道の雪道を散歩させる際に私が行っている対策も含め、冬の散歩時の防寒対策3選を紹介していきたいと思います。
日中の暖かい時間帯に散歩をする
冬の散歩は、陽の光の当たる日中にするようにしましょう。私の住んでいる地域では、1日の最高気温と最低気温の差が10℃以上ある日もあり、寒さに弱いチワワにとっては体感温度が全く異なります。
また、陽の光を浴びることで骨の形成に関わるビタミンDが体内で生成されるため、骨折の予防にも繋がります。
服を着させる

私が住んでいる地域が豪雪地帯ということもあり、冬服の着用は必須です。体温の低下を防いで外に出た時の寒暖差を和らげる以外にも、雪や水が体に付いて体温が低下するのを防ぐ役割もあるため、冬服は着用させるのがオススメです。
犬用ブーツを着用させる
実は、犬の足は冷えにくい構造になっており、多少寒い環境であっても体温をある程度の範囲に保つことができます。この犬の足が温度を保つメカニズムはヤマザキ学園大学の二宮博義教授らによって解明されました。注1
犬の肉球に通っている動脈の周囲には多くの静脈が存在していることが発見されました。犬の足の裏が寒冷環境にさらされて静脈内の血液が冷やされても、心臓から流れる動脈内の血液によって温められ体温が保たれるという仕組みになっていることが報告されています。
ただ、犬の足が冷えにくいと言っても限度があり、冬の雪道を長時間散歩させる場合は、冷えることによる乾燥や、しもやけなどの皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。また、氷の破片や融雪剤などから足を守ることができるので豪雪地帯にお住まいの方は犬用ブーツを着用させた方が安全だと考えられます。
筆者が実際に行っている防寒対策まとめ
これまで様々な防寒対策を紹介してきましたが、実際に私が行っている防寒対策を以下にまとめます。
〈留守番中に行っている防寒対策〉
- エアコン(+SwitchBot)による室温調整
- 加湿器(+SwitchBot)による湿度調整
- アルのベッドに毛布やブランケットを敷く
〈冬の散歩時に行っている防寒対策〉
- 日中の暖かい時間帯に散歩をする
- 服を着させる
〈今後行っていきたい防寒対策〉
- 散歩時に犬用ブーツを着用させる
まとめ
今回の記事のまとめです。
- チワワに最適な環境は、室温25℃前後、湿度50〜60%前後
- 寒さが原因で引き起こしやすい疾患があるので、初期症状を知っておくことが重要
- チワワが寒い時に見せるサインにいち早く気付き、温かい環境を作ってあげることが重要
- 留守番中はエアコンでの室温管理等の安全性を考慮した防寒対策をする必要がある
- 冬の散歩時には、日中に散歩する等の気温差にも配慮した防寒対策を行う必要がある
本記事では、チワワの留守番中でもできる安全性の高い防寒対策・冬の散歩時の防寒対策について論文や実体験を基に解説してきました。共働きや一人暮らしで家を空けることが多い方に対して、この記事が一つでもお悩みを解決できる手助けになれば幸いです。