犬を飼い始めてみて、誰もが1回は気になるのが「臭い」ですよね。
- 賃貸に住んでいるので、部屋に臭いが付いてしまうと困る。
- もう部屋に臭いが付いてしまっているんだけど、取る方法はある?
- 愛犬の臭いが気になるんだけど、ケアの方法がわからない。
このような悩みを解決するべく、犬の臭いへの対策について考えてみましょう。
この記事では、
- 犬が発する臭いの原因と臭いが強い犬種の特徴
- 愛犬の体の臭いを軽減する方法
- 部屋に染み付いた臭いを軽減する方法
- 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 ジアイーノのペット臭への有効性
- 執筆者が実践している犬の臭い消しの対策
を解説しています。
執筆者プロフィール

なお
- 病院薬剤師(8年)→薬局薬剤師(1年)→フリーランスとして活動開始
〈資格〉
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師
一般社団法人薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師 - ペット飼育初心者だったが、2018年にチワワのアルに一目惚れし、お迎え
- プロフィールの詳細はこちらから
犬が発する臭いの原因
犬が発する臭いの原因①:体臭
人と犬の臭いの違いは、汗腺の分布の違いによります。
汗腺には、さらさらした汗を出す「エクリン腺」と臭いの元となる脂質やタンパク質を含む汗を出す「アポクリン腺」があります。
人:「エクリン腺」 → 全身に分布
「アポクリン腺」 → 脇の下、乳首など
犬:「エクリン腺」 → 肉球、鼻先
「アポクリン腺」 → 全身に分布
「アポクリン腺」から出る汗と皮脂が酸化し、細菌を繁殖することで体臭が発生します。
例えると、犬は全身で脇汗をかいている状態とイメージして頂ければわかりやすいと思います。
犬が発する臭いの原因②:口臭
口臭の主な原因は、歯垢や歯石が溜まることで起こる歯肉炎や歯周病になります。
それでは次に、犬がどれくらいの確率で歯周病になるのか年齢別に見ていきましょう。

歯周病は年齢に比例して罹患率が上昇し、特に5歳以上の増加が著しい状況です。つまり、年齢が上がるにつれて口臭が多くなるってことですね。
また、個別疾病との相関性も高いことが報告されているので、疾病を予防する意味でも対策は必要ですね.
犬が発する臭いの原因③:排泄物臭
犬の臭いの原因の3つ目が、尿や便に含まれるアンモニア臭になります。
人と同じく腸内環境が悪化すると臭いがきつくなる場合もあるので、腸内環境に配慮したドッグフードに変更したり、サプリメントを摂ることで腸内環境を正常に保つことが重要ですね。
臭いが強い犬種の特徴
ここまでで犬の臭いの原因は、体臭・口臭・排泄物臭であることがわかりました。ただ、犬種によっても臭いの強い犬種、臭いの少ない犬種がいます。
それは何の違いによるものなのでしょうか?
次で解説していきたいと思います。
〈臭いが強い犬種の特徴〉
- 被毛がダブルコート
- 顔や体にシワやたるみがある
- 涙やけを起こしやすい
- 垂れ耳
体の構造的に皮脂や汚れが溜まりやすい犬種は、臭いが強くなる傾向があります。
このように雑菌の繁殖がしやすい環境を排除してあげることで臭いの軽減に繋がるでしょう。
愛犬の体の臭いを軽減する方法

定期的なシャンプーを行う
前述で犬の臭いの原因の1つが、汗と皮脂が酸化し、細菌が繁殖することによる体臭でした。
定期的なシャンプーで汗や汚れを落とすことにより、体臭の改善が期待されます。

それじゃあ、毎日シャンプーをすれば臭わなくなるね!



頻繁にシャンプーをするのは逆に皮膚トラブルの原因になるよ
目安としては1ヵ月に1〜2回程度のシャンプーが適切とされています。
それ以上にシャンプーをしすぎると、皮膚を守るのに必要な皮脂まで洗い落としてしまい、細菌やアレルギー物質などの外敵から守ってくれる皮膚バリア機能が低下してしまいます。それにより免疫力が落ちて病気にかかりやすくなってしまいます。
また、ジャンプー後に生乾きのままだと細菌が繁殖し、臭いの原因となったり皮膚トラブルを引き起こす可能性があるため、しっかりと乾かすようにしましょう。
毎日ブラッシングを行う
ブラッシングは可能であれば毎日、少なくとも週に1〜2回くらいは行いましょう。
毎日のブラッシングは、抜け毛を取り除いたり、皮膚の汚れを落とす効果があり、臭いの対策に繋がります。
顔や体のシワ、目やに・涙はその都度拭き取る
〈顔や体のシワ〉
フレンチ・ブルドッグやパグといった顔や体にシワの多い犬は、シワの間に皮脂や汚れが溜まり、臭いの原因となります。可能であれば毎日、少なくとも週に1回は、ペット用のウェットシートで拭き取るようにしましょう。
〈目やに・涙〉
目の周りが変色してしまう涙やけは、目と鼻を繋ぐ鼻涙管が詰まることによって目の水分が鼻に流れず、起こしてしまいます。短頭種やチワワ、ヨークシャー・テリアなどの小型犬によく見られます。
濡らした清潔なコットンやガーゼでこまめに目やにや涙を拭き取ります。その後、乾いたコットンやガーゼを拭き取ることで臭いの発生を抑えられるでしょう。
耳掃除を行う
アメリカン・コッカー・スパニエルやラブラドール・レトリバー、ミニチュア・ダックスフンドなどの垂れ耳の犬種は、耳の中が湿りやすく細菌が繁殖することで、臭いの原因になります。
犬の耳は自分で掃除をすると傷付けてしまう可能性があるので、月に1回程度、獣医師やトリマーさんに掃除をしてもらうようにしましょう。
毎日歯磨きを行う
口臭の主な原因は、歯垢や歯石が溜まることで起こる歯肉炎や歯周病であることがわかりました。



歯磨き嫌いなんだけど、どれくらいの頻度でした方がいいの?



理想は毎日だね。少なくとも3日に1回はした方がいいよ。
歯磨きの頻度は、毎日行うのが理想です。毎日行うのが難しい場合は、犬の歯垢が歯石になる日数が3〜5日なため、最低でも3日に1回は行うようにしましょう。
〈歯磨きを嫌がる愛犬への対処法〉
- 小さい頃から歯磨きの習慣を付ける
- 愛犬が落ち着いた時間帯・場所で行う
- 段階的に慣らしていく
①口周りに触れ、歯磨きジェルを舐めさせる
②指や歯磨きシートで歯や歯茎に触れて磨く
③歯ブラシに歯磨きジェルを付けて磨く - 歯磨きガム・おもちゃを利用する
部屋に染み付いた臭いを軽減する方法


ジアイーノを使用する
私が実践して最も効果的であった対策が、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機のジアイーノを使用することです。
〈ジアイーノとは?〉
ジアイーノは、次亜塩素酸のチカラで部屋の空気を清潔除菌(浮遊菌・付着菌)、洗浄脱臭する機器になります。
〈ジアイーノのペット臭への有効性〉


つまり、ジアイーノには次のような効果を認められることが報告されています。
〈ジアイーノのペット臭に対する有効性〉
- 部屋に漂うペット臭や排泄物臭の脱臭
- 部屋に臭いが染みつくのを予防
- 既に布製品に染み付いてしまった臭いを脱臭
〈ジアイーノによるペットの健康への影響〉
次亜塩素酸による洗浄脱臭って、ペットの健康面で大丈夫なの?不安に思われた方も多いと思います。
この部分に関してもメーカーの方でしっかり検証されていて、飼育動物への影響については、行動学的見地からはないものとされています。
次亜塩素酸は濃度が高すぎると取り扱いに注意が必要ですが、ジアイーノから揮発する次亜塩素酸は空気中の塩素ガスの環境基準(0.5ppm)より低く、有人空間での使用に配慮した濃度となっています。
以上より、次亜塩素酸による人やペットへの影響はないと考えられます。
〈ジアイーノを実際に使用して感じたメリット・デメリット〉
〈メリット〉
- 部屋の臭いが全く気にならなくなった
- 風邪を引かなくなった(メーカー非公認)
- 電気代も安め(1ヵ月あたり約144円)
〈デメリット〉
- 本体価格が高い(76,230円)
- 塩タブレットの購入が必要(2〜3年に1回3,960円程度)
- 場所を取る(最近小型化されたみたいです)
実際にジアイーノを使用したメリット・デメリットを挙げましたが、圧倒的にメリットが大きいので、多少出費をしてでも購入をするのがオススメです。
ジアイーノを6年間使用したレビュー・解説はこちらの記事で紹介しています。


ペット用消臭スプレーを使用する
臭いにはペット用消臭スプレーの利用も有効です。
〈ペット用消臭スプレー購入の際のポイント〉
- 愛犬が舐めても問題のないもの
- 無香料で香りが強くないもの
購入の際には、上記のポイントに注意して必ずペット用のものを購入するようにしましょう。
愛犬のベッドやおもちゃは定期的に洗う
愛犬のベッドやおもちゃを長期間洗わずに使用していると、皮脂汚れが付いて臭いの元になります。
衛生面も考慮して、少なくとも1ヵ月に1回程度は洗うようにしましょう。
トイレは清潔に、排泄物はすぐに片付ける
愛犬がおしっこ・うんちをした場合は、気が付いた時点で片付けるようにしましょう。長時間放置すると臭い原因にもなりますし、汚れたトイレを嫌がって愛犬がおしっこ・うんちをしなくなる原因にも繋がります。
また、トイレ以外の場所で粗相をしてしまった場合は、しっかり拭き取った上で消臭スプレーを吹きかけましょう。おしっこが残っていると細菌が繁殖して臭いの原因となるだけではなく、粗相を繰り返してしまう原因ともなるため注意してください。
定期的な換気を行う
臭いの付着を予防するために、こまめに窓を開けたり、24時間換気システムを利用して空気を循環させるようにしましょう。
ただ、季節によっては室温が変化し、愛犬の体調不良にも繋がる可能性があるので、愛犬の体調をみて行うことが大切です。
執筆者が実践している臭い消し対策
ここまで愛犬の体の臭いを軽減する方法と部屋に染み付いた臭いを軽減する方法を紹介してきました。次に私が実践している臭い消し対策について紹介していきます。
〈私が実践している臭い消し対策〉
- 愛犬の疾病予防や衛生面を考慮して紹介してきた項目は全て行っています。
- 上記の対策の中でジアイーノの使用が最も消臭面で効果がありました。
ジアイーノは、動物病院でも導入されている実績が多く、消臭・除菌効果が期待できます。
購入費用が高額で購入を躊躇っている方は、Panasonicの公式サイトより月額2,420円(税込)からの定額利用サービスも利用できます。購入前に実際に使用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回の記事のまとめです。
- 犬の臭いの原因は、体臭・口臭・排泄物臭
- 臭いが強い犬種の特徴は、被毛がダブルコート、シワ・たるみがある、涙やけ、垂れ耳
- 適切な愛犬の体のケアが臭いの軽減に繋がる
- 部屋に染み付いた臭いの軽減には、ジアイーノが最も効果的であった
本記事では、犬の臭い消しに効果的な対策とジアイーノのペット臭への効果について解説してきました。
犬の臭いにお悩みの方に対して、この記事が一つでもお悩みを解決できる手助けになれば幸いです。